My name is・・
そう答えた私を 翼クンはゲームを中断して急に抱きしめてきた。

「どんな生活してきたんだよ?お前…。
飯も作ってもらったこともないなんて…。
かわいそうに……。」


私って かわいそうなんだ?
今まで そんな風に思ったこともなかった。
だって それが私の中では当たり前のことだったから。


それから翼クンはマンションの下のコンビニに行って 卵とハムと豆腐やらを買ってきて チャーハンと味噌汁を作ってくれた。

今まで食べた どんな食べ物より美味しかった。
どんな食べ物より温かかった。
それは きっと翼クンが作ってくれたからだと思うんだ。

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