野球男子
「…キャプテンってすげーよな。」
アタシの背後には、いつの間にか坊主がいた。
「俺さー…いつか小野田先輩みてーになりてぇ。」
坊主の真剣な表情から本気で憧れていることが分かった。
「…なれるよ。坊主なら。」
アタシはそう言って笑った。
「洸!!何やってんだチェンジだぞー。」
「あ、おう!!今行く!!………サンキューな。」
坊主は小声で言うと、マウンドへ走って行った。
アタシは、その背中を見つめていた。