野球男子


坊主はう~んとうなりながら答えた。



「彼女とか考えたことねぇな。とにかく今は野球に集中したいし。いらねぇかな。」




ズキン




「そ、そうなんだ…。」


いらないのか。


アタシ、めっちゃ片思いじゃん…。


でもアタシ坊主が好き。


いつかは絶対振り向かせてみせる。


ってかほんと野球馬鹿だなぁ…。


「………野球ってさ、そんなにおもしろいの??」


アタシが野球を口にしただけで、


坊主は別人のようにまぶしい笑顔で笑った。


「おもしろい!!
  あんな最高なの、他にねぇよ。」



坊主って本当に野球好きなんだなぁ。






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