きみの てのひら


こっちを見て?

あたしに気付いて?



君のココロに
あたしの場所を作って

あたしの存在を
その綺麗な瞳に映して


あたしを
意識、して?



ねえ

あたしがこんなふうに
想ってるなんて


君は少しも気付いていないでしょう?



だって

君はあたしを見ていないんだから



よく晴れた日の廊下で

あたしは君の横をゆっくりと通り過ぎる


まぶしすぎる太陽が

ほんの少し
あたしに笑った



ほら

君とあたしの影が

まるで見つめ合ってるかのように


ほんの、一瞬、だけ
近付いた



…馬鹿、だね
あたしは何してんだろう

こんなことしたって
何も変わらないのよ

あたしは気持ちを遮るように目を伏せた



「ナギ?」


不意に君があたしを呼んだ


振り返ると


優しい君の瞳の中に

あたしが


いた







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