幼なじみ…

プロローグ

…卒業生のみなさん、あなた達のこれからにはまだまだ沢山学ぶことがあることでしょう。

だからこそ

この中学校で学んだことを少しでも

これからの人生に役立ててください


そして最後に

皆さん…


本当に、卒業、おめでとう！！」



そんな言葉を
感極まったように僕たちに贈る校長先生。


それを聞いたせいなのかは分からないが
定番のように泣き出している人や目を潤ませている女子生徒たちがいた…



そんな中、
僕は、ふと
隣のイスに座っている女子生徒に顔を向けた。


（あ、やっぱりひとみちゃんも涙目になってる…
やっぱり女の子なんだなぁ）


そう思いながら顔を眺めていると
その女子生徒は視線に気が付いたのか
すぐさまこちらに目を向けてきた。

「……なに…？」



「ん？え～と…」

その後の言葉がなぜか出てこなかったので何事も無かったように前を向いた。

「………」

するとその様子を見て彼女も何も言うわけでもなく前を向いた。






その後も卒業式は着々と進んでいった。