やっぱり君が…

いつの間にか、ミッチャンは五十九位。


それを聞いたとき、ビックリだった。



「冬華、やんじゃん」


「まーね」



そう言ってあたしは、ケイゴにピースした。



「俺もがんばろ」



たかひろがそっと呟いた。



「頑張れっ」


「おぅ」



たかひろとあたしは、ハイタッチをした。


その時あたしは、たかひろの笑顔にドキッとした…と思う。


噂で聞いたことあるんだけど、モテる意味が要約わかった。



―――



「たかー!」



男子はトラック三周。


ケイゴはたかひろに叫んだ。


たかひろは軽く手を挙げて笑った。


その時は五番目くらいだったけど、着いたときは十二番目だった。



「頑張ったね」


「んー…。お前に勝ちたかったな」


「ふっ」


「鼻で笑うなっつーの」



そう言ってたかひろは、汗を拭いた。
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