やっぱり君が…
初冬
団マラ
この冬の寒い時期、あたし、稲瀬 冬華は校舎をぐるぐる走っています。
なぜならば、陸上部の無いこの学校は、毎年バスケ部がマラソン大会にでなきゃいけないから。
あたしだって、でたくないよ!
だけど、でなきゃいけないんだもん…。
「稲瀬!シャキッと走れ!」
「はいぃ!!」
女子バスケの中で、一番長距離に向いているあたしは、体育の先生と体力付けの練習をしていた。
「よし!明日が本番なんだから、お前等気を抜くんじゃねーぞ!」
「「はい!」」
そして男女バスケ部は、解散していった。
あたしはもう、へろへろだった。
「ふーう!そんなとこに座らないの!」
「せんせにいじめられたあー」
「そんなんじゃないって!ほら!今から練習があるんだから、シャキッとしなさい!」
「うぇぇー」
あたしの手を引っ張るサナ。
あたしはそんなサナに甘えた。
「ねーサナァ?あたしの代わりに、走らな…」
「走らないからね」
そう言ってサナは、あたしの手と荷物を取り、体育館へ向かった。