やっぱり君が…
「わかってるっ!行って来まぁす」
「行ってらっしゃい」
そう言ってあたしは、家を飛び出していつもの場所へ行った。
そこにはまだ、たかひろは来てなくって、あたしは屋根の下でずっと待ってた。
チリンチリン
「?」
自転車のベルの音。
「よっ。寒かったろ?」
その音と一緒に、暖かい声。
「ううん。今さっき来たばっかりだから」
「そ、ならいいんだけど」
「うん」
あたしはそして黙った。
その時、たかひろの一言があたしの耳に木霊した。
「ね、俺、好きな人に告っていい?」
「は?」
何、何よ。この気持ち。
ドキドキして、恥ずかしい気持ち。
「だーかーらー、告ってもいいって聞いてんの!」
「う、うん…。告りなよ」
「わかった。…ーふぅー」
意味がわからない。たかひろは今、何を聞いてるの?