やっぱり君が…
二人の過去
あたしの過去
付き合い始めて三日が過ぎた日、たかひろが急に言い出した。
「俺、お前の事全然しらねぇわ」
「うん?それがどうした?」
あたしもいきなりのことで戸惑った。
「教えて?」
お母さんにおねだりするように、たかひろは甘い声であたしに言った。
でもあたしはこう答えた。
「これ言ったら、あたし、泣くかもしれない。たかひろも、あたしのこと引くかもしれない。それでもいいの?」
あたしの過去の話なんて、あれくらいしか浮かんでこない。
たかひろは真剣な顔で答えてくれた。
「俺はぜってぇ引かねぇよ?」
そう言ってくれて、あたしはホッとした。そしてあたしはたかひろに昔のことを話した。
「あたしが小六の時、かな。死にたいって思ったのは。その頃のあたしはさ、人以上に男っぽくて大人しくて、思ったことがハッキリと言えない性格だった。その分、女の子の友達が少なくって、逆に男友達が多くてさ。ケイゴとか、ユウヤとかとめっちゃ仲良かったの」
あたしは過去を振り返り、自分の思ったことをたかひろに言った。
「だからかなぁ、あたしがイジメられたのは。初めは些細な事だった。もちろん、あたしも我慢したよ。足引っかけられても、筆箱に消毒液を入れられても、お母さんやお父さんやおねぇちゃんに、心配を掛けたくなかったから何も言わなかった。だけどね、だんだん女子があたしに冷たくなった。おはようって言っても、返してくれなかったり、名前を呼んでも、無視されたりした。その後だった。あたしが耐えられなくなったのは」
やっぱりこれを言ったら涙が出てくる。
でもあたしは、ふるえる声でたかひろに言った。