やっぱり君が…

たかひろはあたしを後ろから抱きしめてくれた。



「俺、慰め方わかんねぇんだけど…」



て言って、訳もわからず頭を撫でてくれた。



「冬?こっち向いて?」



たかひろがあたしに言った。あたしは言ったとうりたかひろを向いた。


その時、柔らかいモノがあたしの唇に当たった。



「~っっ」


「ははっ。冬ちゃんかーわいっ」



それはたかひろの唇。


つまりキスをしてしまった。


赤面になるあたしを、たかひろは冷やかした。



「つぅかお前、リストカットしちゃったわけ?」


「うん…。軽く、ね。だから痣とかないんだけど」


「もう、すんじゃねーよ?死にたいとか言うんじゃねーよ?お前は俺が、守ってやるから」



もう、ヒーロー世代は終わったって言うのに、たかひろはあたしのヒーロー気分になっていた。


そんなところも、可愛くてしょうがなかった。



「はい。あたしの王子様?」



あたしはそう言って笑った。



たかひろは赤面した。
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