やっぱり君が…
そしてたかひろは、あたしを家まで送ってくれた。
「今度は、たかひろの事教えてよね」
「おぅ」
「じゃぁね」
「じゃ。バイバイ」
「うん」
そういって手を振った。
「ハァ…」
あたしは石の陰にしゃがんだ。
「ウ…ウァァ…」
そして、泣いた。
別に、悲しかったわけでもない。
嬉しかったわけでもない。
だけど、あたしのことをわかってくれたことが、どことなく泣けただけ。
本当は、もっと酷いことをされたときもあった。だけど、心配掛けると思ったから言わなかった。
たかひろには、幸せになって欲しい。
あたしは、心からそう願った…。