やっぱり君が…

だって、もう、1時過ぎてるもん。


そりゃぁ、嫌いになった人の声なんて、聞きたくないよね…。



「もう、どうすればいいの……。たかひろの考えていることが、分かんないよ…」



めいいっぱい泣いた後、あたしはONE☆DRAFTのラヴソングを聞きながら眠りについた。



-…



この日の夜が、一番長く思えた。


たかひろと別れて、1日目の朝。


学校へ行く時、いつも信号機で会うのに、今日は会わなかった。


早く学校に行ったのかな?
そう思うと、悲しくなる。


どうして別れたんだろう?


あたしはわからなかった。


たかひろの思っていることが。



「サナー、トイレいこーっ」


「うん!!」



給食前、トイレには必ずたかひろ達のグループがいる。


だからあたしは、毎日のようにトイレに行った。



やっぱり、たかひろはいた。


たかひろの方を見ると、一瞬だけ目が合い、そらされた。


というより、あたしがそらしたんだ。



「はぁ…」



あたしは、ため息しか出なかった。



「ふぅ?どうかしたの?」
< 48 / 60 >

この作品をシェア

pagetop