やっぱり君が…

たかひろの家。


何日ぶりだろうか。


懐かしく思えて、涙がでてきちゃう。



「冬?入りな?」


「うん」



そして、家に入った。



「俺な、お前がリョウタのこと、叫んだじゃん?それで、俺は学校であんまり呼ばれたことねぇのにって思って、嫉妬したんだ」


「え?」



それで…?



「しかもその後、リョウタが、冬華さん可愛いよね。付き合おうっかな、って言ったから、イラッてきて、付き合えば?って言ったんだ。まじでごめん。そんくらいで別れるとか言って。兄ちゃんからも、怒られた」


「ううん。いーよ?あたしも悪かったから」


「許してくれる?」


「当たり前」



そう言って笑うと、たかひろは笑ってキスをしてきた。



そして、危機はすぎていった。



その日は春だって言うのに、まだまだ冬並みに肌寒く、あたしにとっては冬を感じさせてくれた。
< 52 / 60 >

この作品をシェア

pagetop