やっぱり君が…

「「お願いします!!」」


「で?何言えば言い訳?」


「え…や…」


「まだ走ってろ」



そう加持さんが言って、みんなは渋々走って行った。



そう、昨日から加持さんは不機嫌なのだ。あたし達、9人が至らぬことをした為であった。


そして、走って20週を突入した時、加持さんがみんなを止めた。



「お前ら、本気で走ってんのか?俺から見りゃ、走ってんのは、冬とアイナだけだが、他の奴は走ってんのか?」


「……」


「ミサ、お前も肉離れなのは分かるけど、注意もできないのか?キャプテンとして、自覚はあるのか!!」


「はい、あります」


「だったら注意をしたらどうだ!中体連負けるぞ!!」


「………」



加持さんが言ってることが、もっともだ。



「アイナ、お前は1年と中で練習せろ。3年は話し合え!中体連まで、どんな気持ちで練習するか」



そしてあたし達は渋々玄関まで辿り着いた。



「つーかあたし達だって、一緒に走ったわけじゃないし!遅いからただ単に一緒になっただけじゃん!」


「冬達が早すぎるだけじゃん!だから一緒に行こうって言ったのにさ」



げ。またあたしのせいにしてるよ。


早く帰りたい。



それからずっと文句ばっかり。


褒められたあたしは、何を言えばいいのか、本当に言っていいのかわからなかった。
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