やっぱり君が…
家に帰って、すぐにベッドへ飛び込んだ。
そして精一杯泣いた。
「冬!?どうしたの!?」
「ウァァ!!ウッ…あのね…」
そしてあたしは、お母さんに今日のことを話した。
「それは、みんなが悪いじゃんね。冬は悪くないじゃんね?」
「みんな、あたしの文句言ってる…」
「言わせておけ。どーせ、冬がいないと試合にもならないってこと、知ってるでしょ?最低でも、加持さんだけは。明後日の試合も、見てわかるよ」
「そーだよね。あ、たかひろ来た」
「こんばんわ」
「おかーさん。おにぎりつくって。走ってくる」
「あら、たかひろ君。泣いて目が腫れちゃってるけど、気にしないでやってね?」
「ははは…」
余計なお世話だっつーの。
あ、タオルタオルー。
「たかひろ、ちょっと待っててね」
「おう」
そう言ってタオルを取り、お母さんからおにぎりをもらって、走りに行った。
「どーしたん?何かあったのか?」
「うーん、ちょっとねぇー。ははは」
心配そうにあたしの顔を覗き込むたかひろが、愛しくてたまらない。
「なーに?知りたいの?」
そう言うと、たかひろは、うん、とだけ言ってあたしをすぐそこにあるベンチに腰をかけさせた。