やっぱり君が…
「んーとね?えっとねー?」


「なんだよ、早く言ってよ」


「泣いちゃったらごめんね?いや、泣かないと思うけどね」



そしてあたしは笑った。



「泣いたら抱きしめる。ほら、言ってみ?」



そして真剣な顔をするたかひろ。


嘘は付けない、そう思った。



「今日さ、外練してたじゃん?あたし達。で、あたし、アイナと一緒に走ってたの、知ってるでしょ?」


「うん」


「そしてさぁ、加持さんに怒られていたの、知ってる?」


「あー、なんかメッチャ言われていたね」


「加持さんがね、あたしとアイナはちゃんと走っていた、他のやつはなんだ?みたいな感じで言ってね。あたしから見ても、みんなちゃんと走っていなかった。でもね、加持さんはアイナと1年生だけを中に入れた。あたしは入れなくて、他の人と一緒に話し合い。あたしも中で練習したかった。だって、話し合いって言っても、あたしからすると、「文句の言い合い」だもん。せっかく教えてもらっているのに、なんで文句?って思う。そりゃあ、あたしだって加持さんあんまり好きじゃない。でも、バスケを教えてもらっている人の文句、普通言わないでしょ?」


「確かに、言わないね」


「でしょ?あたしは、そうゆーの気に喰わないのね。だからうんざりして、帰りぎわに、「ウザ」って言っちゃったのね。そしたらみーんな、ってか、チーチャンとユーチャンとミッチャンとかそっち系の人が、あたしの文句言い始めて。「誰かはあたしなんて関係ないとか思ってるんじゃないの?」「みんなの気持ちがわかんない」とか言ってさ。そりゃ関係ないし、元々みんなの気持ちわかってないじゃんって言おうと思ったんだけど、言ったら、チーム崩れるじゃん?だから言わないで逃げた。どーせ、何も出来ないくせにって思った。そう思うと、悔しくって、イライラが止まらなくって、涙でてきちゃってね。なーんか、恥ずかしい。こんなに、弱かったっけ、って思った。あはは・・・」
< 57 / 60 >

この作品をシェア

pagetop