やっぱり君が…

そう言ってあたしは頭を下げた。



「たかひろ・・・悔しいよぉ・・・もう、嫌だよぉ・・・」


「冬?冬は頑張ってる。俺はわかってるよ?正しいのは、冬だからね。だから、見かえしてやれ」



そう言って、涙目になっていた。



「なんでたかひろが泣きそうになるの?たかひろー?」


「…いや、なんかわかんねーけど…冬も頑張るなら、俺も頑張らないと。よし!冬、おにぎり食って、帰るぞ!」


「うんっ!」



そう言ってあたし達は、おにぎりを食べて走った。


その後たかひろはもモ言わず、あたしに微笑んだ。




次の日の練習、みんなはいたって普通だった。


前日にアオイに聞いておいた練習開始時間。


その後聞いたこと。


『ねぇ、あの後、あたしの文句言ってたでしょ?』


その後のアオイのメール。


『ケンカしちゃ、ダメだよ』



意味がわからなかった。


文句を言い始めたのは、向こうなのに。


やっぱりアオイも、向こうの仲間なんだなって思った。



こうなることは、わかっていたこと。


気にせず練習しよう。


そう思いながら、練習をした。



明日は、練習試合。


頑張ろうって、秘かに思った。
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