やっぱり君が…
「そこの稲瀬 冬華っていう人」
「はい?」
後ろから聞こえてくる声に、あたしは振り向いた。
「靴、赤くなるよ?」
「へ!?」
たかひろって人からそう言われて、思わず靴の裏を見る。
げっ、まじだぁ…。
「うっわぁ…」
「きったねー」
そう言って笑いやがった。
「もー、うっさいんだから」
目の前にアイナが居たから、アイナと一緒に最後まで走った。
たかひろって人、ほんっと迷惑だな…。
「ふーちゃん!もーすぐ開会式!」
「あ!はーいっ」
ミッチャンの言う声に、あたしは対応した。
そしてすぐ開会式が終わった後、走る準備をした。
「稲瀬、頑張れよ」
「はいっ!」
「よーい、スタート!」
パンッとなる音と共に、一斉に走り出した。