OTOGI Rock'n'rool
本物の王子様
「美優、お砂糖買って来て」
朝、お母さんに頼まれて私は近所のスーパーに来ていた。
「えっとー…あっ、あった!」
頼まれていた砂糖を見つけてそれに手を伸ばすと、スッと横から別の手が伸びてきた。
はっと手を引いて隣を見れば、そこには…
「えっ、真崎くん!?」
「う、ぉお?
誰かと思ったらシロミちゃんじゃないかぁーっ!」
なんと、そこには真崎くんがいました。
でも、なんで?
そう思いながら真崎くんの手元を見ると、メモを書いた白い紙。
「もしかして、真崎くんもお使い?」
「んっ!そー!!
おつりでお菓子300円分まで買ってもいいって言われた!!」
「そうなんだぁ、なんか遠足みたいだね」
まさかスーパーで偶然会えるなんて
お使いを頼んでくれたお母さんに、心の中で感謝した。