OTOGI Rock'n'rool
「真崎くんは、本物の王子様みたいだね」
真崎くんにもらったアイスを舐めながら、ぼそっと口にする。
初めて会った時にも思ったけど
真崎くんのこと知れば知る度、本当にカッコイイなって思う。
「真崎くんっていっつもね、会いたいって思った時に現れるの」
私が会いたいなって思ったら、いつも。
会いたくないなんて思ってる時なんか、ないんだけど。
「だから、なんか王子様みたいだなぁって」
来て欲しいと思った時に来てくれる、お姫様を救いに来た王子様みたい。
ちらりと真崎くんの方を見れば、真崎くんは何度も目をぱちぱちさせながら、私を見ていた。
「真崎…くん?」
名前を呼ぶと真崎くんはハッと我に返って、かあっと顔を赤くした。
「はっ、ぅえ、っ」
それから言葉じゃない声を発して頭を勢いよく掻いた。