OTOGI Rock'n'rool
好きだから…
「誰か、いい人いないかなぁ?」
はーっとため息をついて窓の外を見つめる。
「え、どうしたの美優」
「あんな王子様一筋だったのにー」
志乃と沙穂が不思議そうに私を見つめる。
「もういいのー…」
小さく呟いてからくたっ、と机に顔を伏せた。
「え、なにもしかしてフラれた?」
「…………」
好きになっちゃいけないなんて、フラれたも同然だよね
黙っていると、志乃がなぐさめるように私の肩を優しく叩いた。
「じゃあ今日はさ、準備サボってぱぁーっとカラオケ行こう!ね!!」
「…うん」
それから机から起き上がって、帰る支度をした。
みんな準備が出来た所で玄関に行くと、校門のそばに怪しい人影が見えた。
その人は黒くて長いコートに黒いサングラスといういかにも怪しい格好をしていた。
「え、なにアレ」
言いながら志乃が沙穂の後ろに隠れる。