OTOGI Rock'n'rool
「てかなんかすごいこっち見てるんですけど」
「え、もしかしてストーカー!?怖っ!!!」
志乃と沙穂が盛り上がっている中、あの怪しい人影になぜか私には見覚えがあった。
「美優…アレって……」
かっちも気づいたみたいで、私の顔をちらりと見る。
あの背格好と雰囲気、わからないわけがない
だって毎日毎日想ってたんだから。
あれは間違いなく真崎くん。
でも、なんで…?
私は気づいていないフリをして、下を向きながら真崎くんの横を通り過ぎた。
「まっ!!!」
横を通り過ぎた後、うしろから真崎くんがガシッと私の腕を掴んだ。
「っ…と、シ、お嬢ちゃん、お菓子あげるから乗ってかない?」
「えっ」
真崎くんは自分の正体がバレていないと思っているのか、乗ってきた自転車を指差して言った。