OTOGI Rock'n'rool
私の態度が知らない間に真崎くんのこと不安にさせてたんだね
「ごめん、真崎くん
私クララさんにお家のこと聞いて…それで、なんか…私なんかといない方がいいんじゃないかとか、いろいろ考えて…なんとなく避けちゃって……」
「そっか、クララに」
いつもの明るいトーンのまま、真崎くんが続ける。
「なら知ってると思うけど、おいらさぁ、親に高校卒業までは自由にしてていいから、その後はちゃんと立派な大学入って、親の会社継げって、言われてんだぁ
だから高校は普通に自分で選んで、市立だし。でも女の子と仲良くしない方がいーのかなぁとか思って男子校入って」
真崎くんのこと、好きだったくせに
私は今まで何も知らなかったんだなぁ、って気づいた。
「それとコイツは…」
真崎くんは真っ黒なコートを脱ぎ、背中に背負っていたギターを眺めながら優しくトンと叩く。
「6月9日、兄ちゃんの命日だから」