OTOGI Rock'n'rool
なんとなく歩いて、着いたのは真崎くんの高校の前
そういえば、真崎くんに初めて会ったのはここだった。
学校祭にステージで一人で歌っていた真崎くんに、あの時私は恋をしたんだ。
「……………っ」
なんでだろう
真崎くんのことを考えると、意味もないのに涙が出そうになる
必死に目に力を入れて、校舎を見つめた。
「お、白木じゃんどうした?」
「え?」
隣から声がして振り向けば、塁くんがいた。
「あ、えっと…ちょっと、通りかかって…」
「そーなんだ、俺は今ちょーど部活終わり」
「へぇー、遅くまでやってるんだねぇ」
塁くんと話していると、校門からぞろぞろと他の野球部の人達が出てきた。
「わっ、オンナだ!」
「まじで!?え、塁の彼女!!?」
「えー、俺らさぁ、この後飯食いに行くんだけど一緒に行かねぇ?」
ずらっと坊主頭の男の子たちが私達の周りを囲む。
「行かねぇって、それに彼女でもないし」
塁くんがそう言って男の子たちを追い払う。