OTOGI Rock'n'rool
 


「えーいーじゃん紹介しろよー」

「男だけじゃ暑苦しいじゃんよー」
「知らねぇよそんなの」



塁くんはぐいぐいとみんなの背中を向こう側に押しながら歩く。

それから私の方を振り返った。



「あ、じゃあ俺ら行くからまたなー」

「うん、ばいばい」



塁くんが向こうを向いてから、振っていた手を徐々に下ろす。

……危ない危ない

塁くんが来てなかったら、泣きそうだった。

私はホッと一息ついてから、もう一度校舎を見た。



「白木っ!!!!」



急に名前を呼ばれてビクッとした。

振り向けばさっき帰って行ったばかりの塁くんが走ってこっちに向かってきていた。



「ど、どうしたの…?」



塁くんが私の前で止まった所で聞くと、塁くんは首の後ろをかきながら言った。



「白木…さ、なんかあった?真崎と」

「えっ…」



なんで、わかるの?



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