OTOGI Rock'n'rool
「…つーかお前さ、塁のこと好きだろ」
さりげなく、言う。
そんで自分の言葉に軽く傷つく俺。
言っとくけどMじゃねぇ、断じて。
答えを待つ短時間の間、俺は頭で色々考えてたってのに、目の前の女は、一言衝撃的な言葉を放った。
「誰だ"るい"って」
「おまっ、好きな奴の名前くらい覚えとけよ」
「あぁ、もしかして坊主頭の男のことを言っているのか
それならもう好きじゃない」
……は?マジで???
あー、アイツが美優ちゃんのこと好きだから、諦めるって?
なんつーかこの女…諦め早いっつーか、潔いっつーか、男より男らしい女だな。
「それよりお前はどうなんだ
毎回毎回、偶然を装ってうちに会うよな
さてはうちのことが好きなのか」
冗談で言ってんのか、マジで言ってんのか、わかんねー表情で言う。
は、なに言ってんだコイツ
また妄想かよ
そう思ったけど、俺の口から出た言葉はこうだ。
「だったら何なんだよ」