OTOGI Rock'n'rool
 


「…つーかお前さ、塁のこと好きだろ」



さりげなく、言う。

そんで自分の言葉に軽く傷つく俺。

言っとくけどMじゃねぇ、断じて。



答えを待つ短時間の間、俺は頭で色々考えてたってのに、目の前の女は、一言衝撃的な言葉を放った。



「誰だ"るい"って」

「おまっ、好きな奴の名前くらい覚えとけよ」

「あぁ、もしかして坊主頭の男のことを言っているのか
それならもう好きじゃない」



……は?マジで???

あー、アイツが美優ちゃんのこと好きだから、諦めるって?

なんつーかこの女…諦め早いっつーか、潔いっつーか、男より男らしい女だな。



「それよりお前はどうなんだ
毎回毎回、偶然を装ってうちに会うよな
さてはうちのことが好きなのか」



冗談で言ってんのか、マジで言ってんのか、わかんねー表情で言う。


は、なに言ってんだコイツ
また妄想かよ

そう思ったけど、俺の口から出た言葉はこうだ。



「だったら何なんだよ」



< 141 / 166 >

この作品をシェア

pagetop