OTOGI Rock'n'rool
 


「…………は?」



そんなこと言うから、今度は俺が、その台詞を吐くことになった。

そうかもな…って、は?

そうかもなっつーことは、つまり、そういう事?



「へー、お前もそう思うんだ、意外。
つーかお前さ、俺の名前知らねーだろ」



動揺を隠しながら、サラッと話を変える。

俺は中学生か、なにテンパってんだよ
絶好のチャンスだったろ、今の。


俺が一人、自分の馬鹿さ加減にヘコんでいると

女は思い出すように言った。



「あぁ、"しょーやん"とか、呼ばれてたな確か」

「は、何で、知ってんだよ…?」



塁の名前知らねーで、なんで俺なんかの名前は覚えてんだよ

なんか、わけわかんなくて、絶対に嬉しい訳じゃねーけど、にやけそうな口元を押さえる。



「響きが生姜焼きに似てるからな」



ぶはっ、なんだよそれ



「全っっっっ然、似てねーしっ!!!!」



…とか言ってにやけてる俺って、きもい。



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