OTOGI Rock'n'rool
うーん、と言って塁くんは自分の顎に手を添える。
「たぶん、その言葉に引っ掛かってんじゃねーかな、真崎は」
「どうして…?」
私が訪ねると、塁くんはまた笑った。
「少なくとも、アイツの中で白木は"友達"以上ってことなんだろ」
そんなこと…ないよ
私なんか。
でもなぜだか自然と、期待してしまう
「白木、俺さ
好きな子出来たよ」
「え!?ほんとに!!?」
ぱちぱちと瞬きをして塁くんの目を見る。
その目は真っすぐと私を見ていた。
「人の幸せはさ、人それぞれだと思う」
「うん!」
「俺の幸せは、好きな子が幸せになることだと思ってる」
「うん!!」
私も、思ってる
いつも真崎くんが幸せでありますように
そして欲を言えば、その幸せをあげるのが私でありますように…
「だからさ、幸せんなってよ?白木」
「うん!!!」
………うん?