OTOGI Rock'n'rool
 


「あ、えっと…こんにちくわ
おいらはおでんの具は大根がいちばんすきです、それから、しらたきが二番目で…あ、今日はあったかいですね、や、くもりですね」



しゃべっている訳のわからない内容が、真崎くんらしくて、思わず笑う。



「……あ、なんかはやくしろとゆわれたので、手短に、短く、短めに、おわらせます」



放送部の子に急かされたのか、真崎くんが焦っている様子がわかる。



「なるべく短く、します。
けど言わなきゃなんないことがあって、あの、シロミちゃん、きーてる?」



え…

今、私の名前、呼んだ…?



「はい!」



私がスピーカーに向かって返事をすると、周りでそれを聞いていた人達がくすくすと笑った。

恥ずかしい…けど、続きが気になる

さっきよりもっと、スピーカーに耳を近付けた。



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