OTOGI Rock'n'rool
 


二人でそんなやりとりをしていると、校門から出てきた一人の生徒が足を止めた。

そして私たちを指差して叫ぶ。



「あー!この前の!!!」



よく見るとその人は、前に会った真崎くんの友達だった。



「あぁ、あの時の"気前のいい男"」



かっちは思い出したように男の人を指差した。

そういえば、かっちは色々オゴってもらったんだっけ



「なんだよその呼び名
咲也(ショウヤ)っつーんだけど、俺の名前。」



咲也くんか…

なんか、真崎くんの名前と似てる



「つーかお前さ、散々人の金で食ったくせに勝手に帰んなよ」



咲也くんがかっちに言う。



「なんだ、オゴリじゃないのか?
ずいぶんと小さい男だな」

「なっ…!?」

「まぁいい、お金なら返す
いくら払えばいいんだ?」


そう言ってかっちは鞄からお財布を取り出した。



「ちょっとかっち…っ」



オゴってもらった立場なのに、かっちはあまりに堂々としていた。



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