OTOGI Rock'n'rool
 


「にーちゃーん、なんか食わして腹減ったー」



真崎くんがマスターに向かってそう、呼びかける。


あ、なんだぁ…

普通に"にーちゃん"なんだ…

なんか、ちょっとガッカリ



―ペロッ



「っ…ひゃうっ!!?」



急に足に触れた生温い感触に、ビックリして椅子から飛び上がる。



「ん?どしたシロミちゃ…あ!!!」



真崎くんは急にしゃがみこんで、私の足を舐めたそれを抱き上げた。



「ペーター!久しぶりなぁ!!」

「ぺ、ペーター…?」



真崎くんが抱っこしているのは、黒いダックスフンド

まさか、その犬がペーター?



「わ、珍しいな
うちの看板娘が起きてるなんて」



マスターがハハハと笑いながら言う。

看板娘…?

というか、ペーターなのにメスなの!?



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