OTOGI Rock'n'rool
 


びっくりして隣を見ると

なぜか真崎くんは目に涙を溜めて、ティッシュで鼻をかんでいた。



「いい話だなぁ…!」

「アンタ、リアクション間違ってるって」



感動している真崎くんを見て、呆れてクララさんが頭をパシンと叩く。


正直、笑われると思ってたのに



「そっ、そうだよ今のどこがいい話で「だって!!!」


私の言葉にかぶせて、真崎くんが声を張る。



「だってシロミちゃん、本当は可愛いって思ってんのに思わないようにしてんだろぉ?目ぇ取れちゃうから」



真崎くん…

今の話で、そんな風に思ってくれたの…?



「本当純粋だね、シロミちゃんも、翔も」



可愛い可愛い、とカウンターの向こうから私の頭を撫でるマスター

泣く理由なんかないけど、マスターの手があったかくて、なんだか私まで泣きそう



「人様んちの子に気安く触ってんじゃねーよロリコンが」



だけどその涙はクララさんの言葉によってとまった。



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