OTOGI Rock'n'rool
「可愛いなぁ、おまえ」
クララさんがマスターを攻撃している最中、すっかり元に戻った真崎くんがペーターを撫でながら言った。
「ほら、全然へーき」
そう言って抱き上げたペーターの顔を私に近付ける。
ペーターは私の目を見つめると、クゥン…と小さくないた。
「かっ…」
そっと、手を近付ける
「可愛い、ね」
ペーターの頭を撫でてあげると、気持ち良さそうに目を細めた。
私…触れてる!
「真崎くん、私っ…!」
「よしよし、よくできました」
犬嫌いを克服できたお礼を言おうと思ったのに
真崎くんが手を伸ばして私の頭を撫でるから、固まってしまって何も言えなくなる。
「可愛い可愛い」
真崎くんの笑顔に、自分の顔が赤くなるのがわかった。
「あ、あのっ!」
話をそらそうと、出した声が裏返る。
「んー?なした?」
スッと手が離れて、少し残念な気分になるけど
きっとこれ以上は私の心臓がもたない。