OTOGI Rock'n'rool
「わっ、私も質問していいかな?」
「おう、いーぞ!」
私はギュッと目を瞑り、掌を握り締め
思い切って真崎くんに聞く。
「真崎くんの好きなタイプって、どんなの!?」
ドキドキしながら答えを待つ。
すると意外にもアッサリと、答えてくれた。
「そりゃあもちろん、黒くて光沢あってかっちょいーやつ!あと丈夫でネックが太いやつだな!!」
黒くて…
光沢があって…
丈夫で…
首が、太い?
頭の中にそんな人物を思い浮かべる。
けど、どんなに考えても浮かんでくるのは…
「ボディー…ビルダー…?」
胸筋を揺らす、青いビキニを着た小麦色の肌をした女の人の姿が頭の中に鮮明に映る。
私…そんな風に、なれるだろうか?
ううん、なれるかどうかじゃない…ならなきゃ!
そう考えるといてもたってもいられなくなって、ガタガタと席をたった。
「今度こそ、帰ります!用事思い出したんで!!」
「用事って?」
ようやくクララさんから解放されたらしいマスターが私に聞く。
「特訓です!!!」
そう言って私はお店を飛び出した。