OTOGI Rock'n'rool
《第2章》
いつかの野球少年
「ハァ、ハァ…」
真崎くん好みの女の子になるには、鍛えなきゃ…!
そう思って、私は早朝にランニングをしている。
「あ………」
気付けば、私は無意識に真崎くんの通う高校の前に立っていた。
「あれ?こんな所まで来ちゃったんだ…」
男子校までは、家からそんなに遠くもなければ、近くもない距離。
だけどそれより前にある女子校にバスで通っている私にとっては、ここまで走ってきたことはすごいことだった。
「あれ?学祭ん時の」
すぐ近くにいた制服姿の男の人が、私を見て言う。
「あっ、こんにちは!」
その男の人は、見覚えのある坊主頭をしていて
学校祭の時に会った男の子だと気付いた。