OTOGI Rock'n'rool
「実は、私の好きな人が…カッコイイ人がタイプだって…」
もじもじしながらそう答えると、市井くんはさらに不思議そうに私を見た。
「え、真崎が!?」
「うん、ボディービルダーみたいな子が好きなんだって」
「ボディービルダーって…」
アイツやっぱ変だよな、としみじみ市井くんが言う。
なんで私が真崎くんを好きってバレてるんだろう、って気になったけど
「わ!時間っ!!」
私は自分の腕時計を見て慌てて来た道を戻ることにした。
これ以上走ってたら、帰ってシャワー浴びる時間なくなっちゃう!
「じゃ、じゃあね!!」
「あ、待った靴…っ!」
「え?」
―ツンッ
市井くんに呼び止められて振り返ると、何かにつまずいた。
「危なっ!!!」
私がころびそうになった所を、かろうじて市井くんの腕によって支えられた。