OTOGI Rock'n'rool
「ごっ、ごめんありがとう!」
お礼を言い、慌てて市井くんから離れる。
「や、俺こそごめん
早く注意してれば良かったんだけど…」
そう言って市井くんが私の足元を指差す。
「あ…」
見ると私の靴紐がほどけていて、私がつまずいたものはこれだったんだと気付いた。
慌ててしゃがみ込み、靴紐を結び直す。
「あれっ」
だけど何度やっても縦結びになってしまい、急いでいるのにと焦ってもたもたしてしまう。
「全然駄目じゃん、貸して」
市井くんは笑いながらそう言うと、私の前にしゃがんだ。
私もしゃがんでいるせいで距離が近くて、男の子に慣れていない私は少しドキッとする。
「つーか足ちっさ!何センチ?」
靴紐を結び終えた市井くんが、立ち上がって私に聞く。
「え…っと、22くらい?かなっ」
それに続けて私も立ち上がった。