OTOGI Rock'n'rool
「わー、マジで?俺28だけど」
ほら、と言って市井くんが私の横に足を並べる。
「わー、ほんとだ!市井くんの足おっきー!!」
「あー、つーか塁でいいよ、みんなそう呼ぶし」
下を向きながら市井くんが言った。
「じゃあ…塁くん?」
私が首を傾げて確認をとると、塁くんは顔を上げてにっこりと笑った。
「なんか、女子に名前呼ばれんのって新鮮」
「そうなんだ」
とかいう私も、男の子に名前で呼ばれることなんて無いんだけど…
「あ、じゃあさ!塁くんも私のこと「美優」
美優って呼んで、と言おうとした時、別の誰かの声が重なった。
声のした方を見て見れば…
「かっち!!?」
「おはよう、何だその格好」
こんな朝早くに、ビシッと制服を着て登校準備万端のかっちがいた。