OTOGI Rock'n'rool
 


志乃と沙穂には、彼氏がいる。

ここの学校の生徒みたいで、前にプリクラを見せてもらったことがある。

わたしがうらやましいなぁって言ってたら、今日の学祭に連れてくれたんだ。

わたしにも早く、良い出会いがあるようにって



「うーん、二人共行っちゃったよ
これからどーしよっか、かっち」

「食べ歩きに一票」

「えー、わたし付き合いきれないよ?」



今朝、ちゃんとご飯食べてきちゃったし。



「じゃあさ、バンド見に来ない?」

「えっ?」



話しかけてきたのは、坊主頭の長身の男の子。



「今、俺のダチが体育館でやってんの」



笑った時に見える白い歯が、黒い肌とはちょうど対照的で、少しおかしかった。



「おまっ、アレあいつ一人だからバンドじゃねーだろ!」



坊主の人の友達みたいな人が、半笑いで話しかけてきた。



「一人…?」



一人で、演奏してるのかな?



< 4 / 166 >

この作品をシェア

pagetop