OTOGI Rock'n'rool
 


「でもいい感じだったじゃん、付き合ってみれば?」



沙穂がそう言うと、かっちはゆっくりと横に首を振った。



「…それは昨日、ちゃんと断った」

「え!かっち咲也くんに告白されたの!?」



驚いて私が聞くと、かっちは昨日あったことを話し始めた。










かっちの話はこう、

昨日二人でファミレスに入って食事をしていた所、咲也くんが聞いてきた。



『ほんとよく喰うよなぁ、そんな食べて太んねーの?』

『…太ってるか?』

『や、別に、痩せてもねーけど普通?』

『ならいい』



そう言ってまたご飯を食べ始めたかっちに、咲也くんはさらに質問を続ける。



『でもさー、女子とかって気にすんじゃん、そんな太ってねーくせに好きな奴に痩せてるって思われたいとか
あんたは、好きな奴とかいねーの?』

『……………』



咲也くんの質問に、少し考えてからかっちは言った。



『悪いが、お前は私の好きな奴じゃない』



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