OTOGI Rock'n'rool
 


「やっ、話とびすぎ!それ告白されてないから!!」



沙穂の言うことに、私もうんうんと頷く。

かっちはまた、頭の中で勝手に話を進めてしまったんだ。



「そっ、それで咲也くんは何て?」

「…"何でそうなんだよ!"って……」



そりゃあ、そうなるよね



「でもなんだぁ、せっかくかっちにも春が来たと思ったのに」



ぷーっとほっぺたを膨らませて、沙穂が言う。



「…今は夏だ「やーんっ!勇斗から電話だぁ〜ん!!!」



かっちの言葉を遮り、沙穂は叫びながら、震える携帯を持って廊下に出て行ってしまった。



「……毎回、すごいね沙穂の変わり様」



私は苦笑いをしながら沙穂が出て行った先を眺める。

するとかっちがさっきみたいに大きく深呼吸をして、私の名前を呼んだ。



「美優」



< 45 / 166 >

この作品をシェア

pagetop