OTOGI Rock'n'rool
「やっ、話とびすぎ!それ告白されてないから!!」
沙穂の言うことに、私もうんうんと頷く。
かっちはまた、頭の中で勝手に話を進めてしまったんだ。
「そっ、それで咲也くんは何て?」
「…"何でそうなんだよ!"って……」
そりゃあ、そうなるよね
「でもなんだぁ、せっかくかっちにも春が来たと思ったのに」
ぷーっとほっぺたを膨らませて、沙穂が言う。
「…今は夏だ「やーんっ!勇斗から電話だぁ〜ん!!!」
かっちの言葉を遮り、沙穂は叫びながら、震える携帯を持って廊下に出て行ってしまった。
「……毎回、すごいね沙穂の変わり様」
私は苦笑いをしながら沙穂が出て行った先を眺める。
するとかっちがさっきみたいに大きく深呼吸をして、私の名前を呼んだ。
「美優」