OTOGI Rock'n'rool
 


視線をかっちに移せば、直ぐ様かっちが言葉を続けた。



「頼みがある」

「頼み…?」



私が首を傾げると、かっちは小さく一度、頷いた。



「朝の…男に、…これを、聞いて来て欲しい」



かっちはそう言うと、私にノートの切れはしを渡した。

そこにはビッシリと質問が書かれていた。



「"好きな食べ物は何か"、"好きな色は何か"…?これを、塁くんに聞くの?」

「そうだ」



なんで、私が…?



「…うちは、まだあの男と学祭の時くらいしかちゃんと話したことが無い」



私が考えていたことがわかったかのように、かっちが言う。



「だから、美優に聞いて来てもらいたい」



私も…そんなに話したことはないんだけど…



「じゃあなんで、聞いて来て欲しいの…?」

「……………」



なんとなく、わかってはいるけど。


本人から直接聞きたくて

ちょっと意地悪に、理由がわからないフリをして、かっちにたずねた。



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