OTOGI Rock'n'rool
「あ、おはよう」
「ん、おは―…ぁっ!」
「ふぇっ!?」
それまで眠たそうに目をこすっていた咲也くんが、ガッと目を見開いた。
私はびっくりして変な声を出す。
「なあっ!きーてよ美優ちゃん!!」
え、な、なんだろう…?
「なんつったっけあの女、ほら、"みなしご"みたいな名前の…」
うーん、と頭をかきながら咲也くんが唸る。
みなしご…?
あ、もしかして
「…かっち?」
「そーそれ!!!」
それを言うなら、ハッチだと思うよ、咲也くん。
「あの女さぁ、マジありえねーの!こないだなんかさ、俺が告白したことんなってて!」
「あ…それは…本人から聞いたよ。なんか、ごめん」
「美優ちゃんが謝る必要ねぇって!だけどなんか変わってんよな、アイツ」
確かに、かっちは今まで出会ってきた女の子の中で、一番変わってる。
もちろん、男の子の一番は真崎くんだけど。