OTOGI Rock'n'rool
 


「あ、おはよう」

「ん、おは―…ぁっ!」

「ふぇっ!?」



それまで眠たそうに目をこすっていた咲也くんが、ガッと目を見開いた。

私はびっくりして変な声を出す。



「なあっ!きーてよ美優ちゃん!!」



え、な、なんだろう…?



「なんつったっけあの女、ほら、"みなしご"みたいな名前の…」



うーん、と頭をかきながら咲也くんが唸る。

みなしご…?

あ、もしかして



「…かっち?」

「そーそれ!!!」



それを言うなら、ハッチだと思うよ、咲也くん。



「あの女さぁ、マジありえねーの!こないだなんかさ、俺が告白したことんなってて!」

「あ…それは…本人から聞いたよ。なんか、ごめん」

「美優ちゃんが謝る必要ねぇって!だけどなんか変わってんよな、アイツ」



確かに、かっちは今まで出会ってきた女の子の中で、一番変わってる。

もちろん、男の子の一番は真崎くんだけど。



< 49 / 166 >

この作品をシェア

pagetop