OTOGI Rock'n'rool
 


『焼きそばパンと、カレーパンならどっちが好きだ?』



初めてのかっちとの会話は、それだった。

同じクラスで、隣の席になったかっちに突然聞かれたんだ。

かっちの両手には、焼きそばパンとカレーパン…

が、3つずつ。



『うーん、私はカレーパンかな』

『よし、じゃあ焼きそばパンから食べることにする』



"じゃあ"の意味が全くわからなくて、私はポカンと口を開けて、焼きそばパンを頬張るかっちを見ていた。

正直、なんで聞いたんだろうって思った。



『人と同じは、嫌いなんだ』



だけどそう言われて、納得した。

それから徐々に仲良くなっていって、今に至るんだ。



「よく食うしさ、遠慮知らねーし、人の質問には答えねーし」



ハッと我に返ると、咲也くんはまだかっちの話をしていた。



「あんな女、初めて会ったんだけど」

「うん、私も。
なんかかっちといると、新鮮なことばっかで毎日楽しいよ」



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