OTOGI Rock'n'rool
―キキッ
私達の前で自転車が止まる。
「「真崎!?」」
塁くんと咲也くんは驚いた顔で真崎くんの名前を呼ぶ。
真崎くんはへらへらと笑いながら自転車から下りた。
「いやいや皆様本日はお足元の悪いなか…」
「何のスピーチだよ」
「思っきし晴れてるっつーの」
真崎くんの不思議発言にサラッと突っ込む二人に感心していると、チラッとこっちを向いた真崎くんと目が合った。
「あっ、おはよう!」
まさか会えるだなんて思っていなくて、少し緊張する。
「うおーシロミちゃんっ!
あれ、なんでジャージ着てんのぉー?」
そう言いながら真崎くんはぐるぐると私の周りを回る。
「えっ、あっ、あの…
真崎くんの、タイプに近づきたくて…!」
きゃー
言っちゃった!
真崎くん、どう思うかな?
私、ちゃんと
真崎くんのタイプに近づけてる?
「タイぷぅー?」
だけど真崎くんは、ん?と腕を組み、首を傾げた。