OTOGI Rock'n'rool
 


―キキッ



私達の前で自転車が止まる。



「「真崎!?」」



塁くんと咲也くんは驚いた顔で真崎くんの名前を呼ぶ。

真崎くんはへらへらと笑いながら自転車から下りた。



「いやいや皆様本日はお足元の悪いなか…」

「何のスピーチだよ」

「思っきし晴れてるっつーの」



真崎くんの不思議発言にサラッと突っ込む二人に感心していると、チラッとこっちを向いた真崎くんと目が合った。



「あっ、おはよう!」



まさか会えるだなんて思っていなくて、少し緊張する。



「うおーシロミちゃんっ!
あれ、なんでジャージ着てんのぉー?」



そう言いながら真崎くんはぐるぐると私の周りを回る。



「えっ、あっ、あの…
真崎くんの、タイプに近づきたくて…!」



きゃー
言っちゃった!

真崎くん、どう思うかな?

私、ちゃんと
真崎くんのタイプに近づけてる?



「タイぷぅー?」



だけど真崎くんは、ん?と腕を組み、首を傾げた。



< 53 / 166 >

この作品をシェア

pagetop