OTOGI Rock'n'rool
 


私が混乱していると、咲也くんは親指で真崎くんの背中を指差す。

そこにあるのは、真崎くんがいつも背負っているギターケース。



「美優ちゃん、"ヒツジハネJr."つーのは、こいつのエレキギターの名前」

「え…ギターの?」



って…いうことは

真崎くんが言っていたのは、"好きなギターのタイプ"ってこと?



「な…なんだぁ…!」



じゃあ、鍛える必要も、黒くなる必要もなかったんだ。



「でもさー、実際気になるよな」

「何が?」

「真崎の好きな女のタイプ」

「確かに。今まで真崎からそっち系の話聞いたことなかったもんな」



ニタニタしながら咲也くんと塁くんが、真崎くんに近寄る。


あ…今度こそ…真崎くんのタイプが聞けるんだ…!



「で、どーな訳」

「ぅえ、あー、おいら…」



頭の後ろをポリポリとかく真崎くんを、じっと見つめる



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