OTOGI Rock'n'rool

公園デート

 


「なんかさぁ、最近報告ないんだけど」



ある日の休み時間、沙穂が私の席まで来て言う。



「なにが?」

「なにが?って…美優の王子様のハナシっ!」



何のことかよくわからないで首を傾げると、今度は後ろから志乃が出て来て言った。



そういえば…そうかも。

でも、これといって進展もないし、二人に伝えるようなことは何も…



「…食が人を結ぶ」

「「は!?」」



そして突然現れたかっちに、二人が声を揃えて驚いた。

かっちはコンビニのおにぎりを頬張りながら、またおかしなことを言う。



「美優は今、奴と進展がない事に悩んでいるだろう」

「悩んではいないけど、なんでわかったの!?」

「勘だ。」



勘…ですか。



「とにかく、だ。
おいしい物を食べると、人は笑顔になれる。心のこもった物ならなおさらだ。そして、それが人と人とを結ぶ。」



なんだか難しいことを長々と話すかっちは、早くも次のおにぎりの袋をあけていた。



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