OTOGI Rock'n'rool
 


「うおー!ちょー快晴!!!」



空を見上げて、真崎くんがにっ、と笑う。

つられて私も笑う。

そんな、日曜日の朝。



思えば真崎くんと私服で会うのは初めてで

真崎くんのことだから、もっと奇抜的っていうか、個性的な服装をしてくるんだろうと思っていたけど

シャツの上にベストを着て、ジーパンにスニーカーっていう至ってシンプルな格好で、だけど綺麗な顔だからっていうのもあるからかオシャレだなぁと感じた。



荷物は背負ってるギターケースだけっていうのは、やっぱりいつもの真崎くんらしいけど。



「ドコ行くんだーい?」



おでこに手をあてて、辺りをぐるぐると見渡しながら真崎くんが私に聞く。

そういえば…どこ行くかなんて考えてなかった。


えっと、でも、お弁当食べられるところがいいから…



「ピクニック気分味わえるとこっ、て、どこかな…?」



逆にそう、質問してみた。



「わー!それならおいらいーとこ知ってってってんよー!」

「ほんと?」

「おうっ、まかしとけぃ、べらぼうめぃ」



…よ、よくわからないけど

スキップでどんどん前へ進んでいく真崎くんに、小走りで付いていった。



< 60 / 166 >

この作品をシェア

pagetop