OTOGI Rock'n'rool
「ところでシロミちゃん、どーしたのその大荷物っ」
だいぶ進んだ所で真崎くんが立ち止まり、私が持っている鞄を指差す。
鞄はきっと誰が見てもパンパンな状態で、中には張り切って作りすぎちゃったお弁当。
だっ、だって…誰かのためにお弁当を作るなんて、初めてだったんだもん。
でも、男の子っていっぱい食べるって言うから、いっぱい持ってっても大丈夫かなって…思って……
「ひ、秘密っ」
まだお弁当のことは黙っていたくて、私は自分の後ろに鞄を隠した。
「ふーん、ま、いーやぁ!じゃあ、はい」
スッと真崎くんが前に手を出す。
もしかして、持ってくれるってこと…?
私はぶんぶんと横に首を振った。
「あっ、や、いーよ重たいし!」
「いんだ貸して、持たなきゃクララに怒られる」