OTOGI Rock'n'rool
真崎くんは私の手から鞄を奪いとると、キョロキョロと周りを見た。
「アイツどこでおれのこと見てっかわかんねーんだぁ」
あ…前にも確か、クララさんの荷物を持たないで怒られてたっけ。
もし、真崎くんが怒られるようなことがあったら可哀想だから、私は素直に甘えることにした。
「ありがとう」
それから、真崎くんが目指す目的地に向かって、私達はひたすら歩いていたけど
真崎くんは人の姿を見つける度に電信柱や人の家の壁に隠れたりしていた。
何をしてるのかと聞くと、
「忍者ごっこ!」
と短く言われて、私もなんとなくで参加した。